2013年12月7日土曜日

電源のいらないスピーカー「の音(no oto)」の開発ストーリー その8

「別冊ステレオサウンド Digi Fi No.7」特別付録のUSB DAC付デジタルパワーアンプ用のコンパクトなバスレフスピーカー、ASP-1が完成したので、音を聴いてみましょう。といっても、実際に試聴していただかないと伝わらないのですが、YouTubeに動画をアップしましたので参考までに聴いてみてください!


いかがでしたか?サイズの割りに頑張っているでしょう?ASP-1はユニットが2つのステレオスピーカーなのですが、1つのキャビネットに取り付けているので、ユニットを上向きに置くと無指向性スピーカーのような使い方になります。あと、縦置きもできるようにデザインしているので、高音が物足りないときは縦置きで聴くことも可能です。この考え方も、後に開発する「の音」にちゃんと引き継いでいるんです。


音にもデザインにも自己満足してしまったASP-1。調子に乗ってこれを展示会でテスト販売しようと思い立ち、キットまで作ったのです・・・。

この続きは、また次回…。


2013年12月6日金曜日

電源のいらないスピーカー「の音(no oto)」の開発ストーリー その7

「別冊ステレオサウンド Digi Fi No.7」特別付録のUSB DAC付デジタルパワーアンプ用のコンパクトなバスレフスピーカーの組立の続きです。

胴部にユニットを取り付けたバッフルを接着したら、裏返して中に吸音材として活性炭を不織布の袋に入れて詰め込みました。活性炭は表面積が大きいので、小型のエンクロージャーの吸音対策に良いとのネットでの情報をもとに、気休めに入れたものです(笑)

ちなみに活性炭は観賞魚の水槽の浄化用にペットショップで売っていたものを流用しました。


底板を木工ボンドで接着したら、作業は終わりです。垂直方向に部品の板を貼っていくだけなので、6面体の箱を組み立てて作るのに比べてとても簡単だと思いませんか?6面体の箱をきれいに接着して組み立てるのって、作った事がある方はご存知だと思いますが、意外と難しいですよね。特に材料の寸法や角度がキッチリ出ていないと、苦労することになります。


3mmの板2枚でモバイル時にユニットを傷つけないフタも作りました。フタをしてヘアゴムで固定してバッグに入れて持ち運べます。

どうですか?バッフルの白木の部分と側面のレーザー加工で焦げたシナの積層のコントラストが素敵でしょ?若干の焦げ臭さはありますが、次第に気にならなくなります。あと、塗れた布などで拭くと焦げが色移りするので、使い始めは若干取り扱いに注意が必要ですが、時々乾いた布で磨いてあげると、だんだん味がでてきますので、民芸品のように使い込む楽しみもあるスピーカーが出来上がりました!

名前は、ARUPaPaのSpeakerの1号機ということで「ASP-1」としました。

もう少しこの話は続きます。

この続きは、また次回…。




2013年12月5日木曜日

電源のいらないスピーカー「の音(no oto)」の開発ストーリー その6

「別冊ステレオサウンド Digi Fi No.7」特別付録のUSB DAC付デジタルパワーアンプ用のコンパクトなバスレフスピーカーの試作材料がそろったので、組立作業に入ります。

AURA SOUNDNSW-205-8Aはリアマウント推奨ユニットなので、バッフル板(ユニット取り付け用に丸穴を開けた板)の裏側から取り付けます。※木目がきれいな方を表側にします。

ちなみに、取り付けネジは付属していないので、ホームセンターで取り付け穴に合ったサイズの木ネジとワッシャーを準備しました。


次に胴部の板を木工用ボンドで5枚貼り付け、重しなどでプレスをして木工用ボンドが乾くのを待ちます。30分くらいで動かなくなるので、バッフルと底を貼りつける前に、スピーカーケーブルを通す穴を開け、下の写真のように引っ張っても抜けないように結んでおきました。スピーカーケーブルを通した穴は木工用ボンドなどで、隙間を塞ぐと良いでしょう。キャビネット内のスピーカーケーブルは長すぎると邪魔だし、短すぎるとユニットの端子へ差し込むのが大変なので、程良い長さにしておきます。この時はファストン端子を圧着しておいて簡単に差し込めるようにしました。


スピーカーケーブルをユニットに接続したら、木工用ボンドで胴部とバッフル板を接着します。9mmの板だと、ユニットのフレームはほぼピッタリに収まりますが、エッジが2mmくらい飛び出すので、フタ用に加工してもらった3mmの丸穴付の板をテープで仮止めして作業しました。底板を貼るときにユニットを保護するのに役に立ちました。


だんだん、スピーカーらしくなってきましたよ。後はキャビネット内に「あるもの」を詰めて底板を貼ったら出来上がりです。

この続きは、また次回…。


2013年12月4日水曜日

ウィルコム消滅発表の前日に機種変してしまいました・・・

ウィルコムを長く使っているのですが、12月2日に3年間お世話になったWX130SからWiFiルーター機能付のWX02S(PORTUS)に機種変した翌日に、なんと「イー・アクセスとウィルコムの合併を発表」の報道が!

三年契約した翌日に消滅とか言われてもねぇ。ウィルコムのお姉さんは、まったくそんな素振りは無かったし、現場もしらされていないんだろうか?

そういえば、契約中に受付のお姉さんしかいなくて、後ろで待たされていたお客さんに、「他に受付する人いないんですか?」と聞かれたお姉さんが、「今、私以外みんな出掛けている」と言っていたのは、合併の説明でも聞きに言っていたのかも・・・。

とりあえず、3月一杯はウィルコムのまま使えるとして、その先に通話と通信の2回線が入ったこの機種の運命やいかに、ウィルコムWプランはどうなってしまうのでしょうか?

WX02S自体は、なかなか使いやすくて気に入っています。まだ、機種変したばかりなので、モバイルルーターとしてどれだけ実用(つながりやすさと通信速度)になるかは体感していませんが・・・。

思えば京ポン、W-ZERO3[es]、Advanced/W-ZERO3[es]と使っていましたが、定額通信、そしてスマホの先駆けだったんですよね。ウィルコムユーザーとしては寂しいかぎりですが、使えることなら最後のWX02Sを壊れるまできっちり使いたおしたいものです。



2013年12月3日火曜日

電源のいらないスピーカー「の音(no oto)」の開発ストーリー その5

「別冊ステレオサウンド Digi Fi No.7」特別付録のUSB DAC付デジタルパワーアンプ用のコンパクトなバスレフスピーカーの試作は、ネットで見つけた横浜の「Multi カット加工 トンボ」さんに、シナ芯のシナ合板をレーザーカットしてもらうことにしました。

レーザー加工には大きく分けて「カット」と「彫刻」の二種類あり、レーザーを照射する加工ヘッドの動き方がカットはベクター(ラインにあわせて動く)、彫刻はラスター(インクジェットプリンターのように左右に往復する動き方)と違います。加工の違いはIllstrator等のドロー系ソフトの線の色と太さの違いで指示するのですが、要するに「カット」と「彫刻」では加工の時間が違うので、加工料金に影響するということになります。

一般的に「カット」の方が線をなぞるだけなので、簡単な図形だと数分で加工できるのが、全面に彫刻を入れるような場合は加工に数十分~1時間くらいかかってしまう場合もあり、加工料金が高くつく場合が出てきます。

この時の試作は下図のように外形線をカットしてもらうだけでしたので、材料費込みで1万円程度で試作することができました。


シナ芯のシナ合板をレーザー加工すると、カット面が焦げてしまうのですが、この焦げた茶色の部分がとても味があって自分の好みだったので、あえて仕上げの研磨や塗装はせずに組み立てることにしました。「の音」のキャビネットの側面もこのレーザー加工時の焦げをそのままデザインとして採用しています。

レーザー加工は加工屋さんによるサービスの他、FabLabなどで時間貸しで使用できる場所も増えてきたので、このスピーカー用の加工に必要なパスデータ(Illustrator形式)はご要望があれば、非商用利用に限って公開しようと思いますので、コメントなどでご連絡くださいませ。

この続きは、また次回…。




2013年12月2日月曜日

電源のいらないスピーカー「の音(no oto)」の開発ストーリー その4

「別冊ステレオサウンド Digi Fi No.7」特別付録のUSB DAC付デジタルパワーアンプをノートPCと一緒にモバイルする時に邪魔にならないコンパクトなバスレフスピーカーのデザインが決まったので、木材を使った試作の前に、スタイロフォームでモックアップを作り、事前に音の確認をしました。

スタイロフォームは建築の断熱材として使用されているものですが、ヒートカッターで簡単に切断できるので、良くデザイン検討に使われている素材です。

型紙を使ってヒートカッターで切断すると、曲線なども比較的きれいに切り出すことができますし、面の肌を整えたいときは、サンドペーパーで軽くこすればOKです。

サイズはW120×D60×H63mmでPCバッグに入れて持ち運べなくもありません。

肝心な音のほうは、ユニットの性能が良いこともあってか、このサイズにしては申し分のないと判断できたので、木材を使った試作に進むことにしました。

ただ、バスレフポートの細いスリット部があるので、ルーターなどの刃物での加工には不向きで、結果、どうやらレーザー加工なら切り出せそうだと分かったので、ネットで木材をレーザー加工してくれる加工屋さんをさがし、見積もりをお願いしたのでした。

この続きは、また次回…。






2013年12月1日日曜日

電源のいらないスピーカー「の音(no oto)」の開発ストーリー その3

「別冊ステレオサウンド Digi Fi No.7」は早めに予約していたので、2冊購入することができたのですが、当時大人気で発売後、すぐに売り切れになってました。それだけ、反響が大きかったのですね。

特別付録のUSB DAC付デジタルパワーアンプは基板の状態のままで、ケースなどは付属していなかったので、1つは市販のアルミケースに穴加工して収め、もう1つはカステラの桐箱を加工してスピーカーユニットと基板を収めてアクティブスピーカーを自作。

ちなみに自作した「アルミケース」と「かすてらの箱スピーカー」は、デジファイ No.7特別付録使いこなしアイデアコンテストに入賞し、次号のDigi Fi No.8で紹介されたんですよ!



そんなこんなで、スピーカーの自作に凝りだしてしまったのですが、折角デジタルアンプがコンパクトなので、ノートパソコンと一緒にモバイルできる小さなスピーカーを自作にチャレンジしようと思い立ったのですが、まずコイズミ無線で売っている最も小さいフルレンジユニットAURASOUNDの1インチ「NSW1-205-8A」を買ってきて、このユニットに合うバスレフタイプのキャビネットをデザイン。

この時、自作し易いように9mmの板を積み重ねて接着するだけで、キャビネットとバスレフポートが形成されるカタチを考えました。この構造は後にデザインする「の音」へと引き継がれています。

そして、このキャビネットをカットする手段として、レーザー加工サービスを利用したのがきっかけで、この後レーザー加工機を導入することになろうとは・・・。

この続きは、また次回…。