2013年12月3日火曜日

電源のいらないスピーカー「の音(no oto)」の開発ストーリー その5

「別冊ステレオサウンド Digi Fi No.7」特別付録のUSB DAC付デジタルパワーアンプ用のコンパクトなバスレフスピーカーの試作は、ネットで見つけた横浜の「Multi カット加工 トンボ」さんに、シナ芯のシナ合板をレーザーカットしてもらうことにしました。

レーザー加工には大きく分けて「カット」と「彫刻」の二種類あり、レーザーを照射する加工ヘッドの動き方がカットはベクター(ラインにあわせて動く)、彫刻はラスター(インクジェットプリンターのように左右に往復する動き方)と違います。加工の違いはIllstrator等のドロー系ソフトの線の色と太さの違いで指示するのですが、要するに「カット」と「彫刻」では加工の時間が違うので、加工料金に影響するということになります。

一般的に「カット」の方が線をなぞるだけなので、簡単な図形だと数分で加工できるのが、全面に彫刻を入れるような場合は加工に数十分~1時間くらいかかってしまう場合もあり、加工料金が高くつく場合が出てきます。

この時の試作は下図のように外形線をカットしてもらうだけでしたので、材料費込みで1万円程度で試作することができました。


シナ芯のシナ合板をレーザー加工すると、カット面が焦げてしまうのですが、この焦げた茶色の部分がとても味があって自分の好みだったので、あえて仕上げの研磨や塗装はせずに組み立てることにしました。「の音」のキャビネットの側面もこのレーザー加工時の焦げをそのままデザインとして採用しています。

レーザー加工は加工屋さんによるサービスの他、FabLabなどで時間貸しで使用できる場所も増えてきたので、このスピーカー用の加工に必要なパスデータ(Illustrator形式)はご要望があれば、非商用利用に限って公開しようと思いますので、コメントなどでご連絡くださいませ。

この続きは、また次回…。




0 件のコメント:

コメントを投稿